「Kちゃん、この曲歌ってみようか」
「うん☺️どぉ〜れぇ〜み、ウンどぉ〜しぃ〜ら、ウン・・・」
元気に音を読みながら歌ってくれるのは年長さんのKちゃん。
「・・・えっと・・・」
次の音が分からなくなってしまったようです。
じっと楽譜を見つめるKちゃん。
「・・・レ?」
「違うよー。じゃぁ、これは何の音?」
楽譜に音を書き込む先生。
「ド!」
「そうだね。これがおへそのドだから、これはドの上にある?下にある?」
「した〜!」
「そう。下にあるね。ドの何個下にあるかな?」
「1こ!だからシ!!」
「そうそう!シだね☺️分からなくなったら、分かる音から考えてみればいいからね」
「うん!」
Kちゃんは以前、大手音楽教室さんのグループレッスンに通われていましたが、11月から当教室に移動してきてくれました。
体験レッスンをした時には、その時に習っている曲を聞かせてもらったのですが、とても上手に弾けていました。でも、新しい曲を弾くために音符を読んでもらうとなかなか分かりません。
大手音楽教室さん、特にグループレッスンを受けていたお子さんたち、指を動かして弾くことは上手にできるのですが、音符が読めない。という子が多いです。
みんなで一緒にレッスンをして、楽しいし相乗効果が生まれることもあるとは思いますが、やはり、個人個人のできる、できないにじっくり時間をかけられないのでしょう。
みんなで音符を読んでいて、自分が分かっていなくても他の分かっている子がドンドン先導して音を読んでくれるからか、これは何の音か?と、考えることをやめ、誰かが教えてくれるまで待ってしまうことがよくあります。そして、耳で覚え、それを練習していくようになるので、弾けるけれど読めない。ということになってしまいます。
聞いて弾けるようになればいいじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最初のうちは1度に弾く音が1つ、2つだけなので弾けますが、だんだん曲が難しくなり、1度に5個も6個も音が重なってくると、それを全部聞き取ることはできなくなってきます。(中にはすごい才能の持ち主で、1度聞いた曲をサラリと弾ける方もいらっしゃいますが、ほとんどの人はできませんよね💦)
Kちゃんも、最初のうちは譜読みをしている時に音が分からなくなったら固まって、思考停止してしまうことが多くありましたが、じっくり時間をかけて一緒に考えるところから始め、徐々に自分で読んでみるように伝えていくと、今では少しずつ自分で読むことができる音が増えていったり、何の音かを考えてくれるようになってきました。
それでも自信がない時は声が小さくなったり、間違えているのではないかとモジモジしてしまうこともあります。そんな時は
「Kちゃん、多分心の中に思ってる音は合ってると思うよ。自信持って!間違えても、先生と一緒に考え直せばいいだけだから、そんなに心配しなくていいんだよ。少しずつ、自分で音を読めるようになっていけばいいんだからね」
と声をかけます。
「うん。・・ファかな?」
「そう!合ってるよ!次は〜?」
「レ?」
「ううん。これは、一番下の線に突き刺さってるね〜。ワークブックで何色塗ってたっけ?」
「みどり・・・ミだ!」
「そうそう!」
今は譜読みに時間をかけているので、曲は今までよりもなかなか進まずヤキモキするかもしれませんが、自信を持って自分で音符が読めるようになったらグンと上達しますし、レッスンの仕方も変わっていきます。
このように、個人のレッスンではひとりひとりのできる、できない。得意、不得意。に対応して丁寧にレッスンができ、その子の性格や状況に合わせてお子さんに寄り添いながらレッスンを行えることが強みなのではないかな?と考えています。
ゆっくり、着実に。時期が来たらドピューンと😄少しずつ、自分で弾ける喜び、楽しみを感じてもらえると嬉しいです🎶
これからも一緒に頑張りましょうね💕