ポーランドでの留学時代のお話。

大学のレッスン室には2台のグランドピアノがありました。

「キミ、こっち弾いてね」

指定されるがまま、いつもレッスンではレッスン室手前にあるピアノを弾いてレッスンを受けていました。

「こういう風に弾くんだよ〜」

と先生がとても素敵な音色で弾いてくださるのです。

「こうですか????」

「もっとこんな感じ〜」

「・・・・」

私は何度弾いても思うような音色が出せません。

 

このピアノ、ボロいよね・・・

 

レッスン室のピアノは2台ともかなりの年代物で鍵盤もガタガタだったのです(日本の大学に置いてあるピアノとは大違い!戦前のものですね・・クラクフは運よく爆撃を受けなかったので)

 

絶対こっちのピアノより、先生が弾いてるピアノの方が弾きやすいはず!こんなボロピアノで弾けるもんか!!

と常々思っていたんです。

ある日

「先生!そっちのピアノで弾いてみてもいいですか!?」

聞いてみました。

 

ビミョーな顔をされながら

「いいともよ。」

 

よし!これで上手に弾けるはず!!

と意気込んで弾きはじまたら最初の1小節で・・・

 

「先生すみません・・・やっぱりピアノ、いつもので・・・」

 

いつも私が弾いていたピアノよりも更に状態の悪いピアノだったのでした。。。

あそこまでとは・・・

 

改めて、教授すごい!(CDも出しているくらいだからすごいんですよ実際)

弘法筆を選ばずとはこのことだ😱と実感したのでした。

その後はそれまで以上に練習に励みました。

マイナス10度なのに暖房が壊れているアパート(古いんですわ。クラクフは運よく爆撃を受けなかったので・・あれ?さっき聞いた?)で練習に練習を重ねました。(便座も冷たいし😭)

 

そのおかげで(かな?)最優秀の成績で卒業することができましたが・・今あのピアノを弾いたらどんな音色で弾けるのだろう?

と思います。

私も生徒さんたちに「先生すごいっ✨」と憧れを持ってもらえるよう(レッスンの時の楽しい先生と演奏する時の先生のギャップに驚くかも😆)頑張っています♪(おっと、発表会でのハードルを自ら上げに行きました〜😅)